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<調査分析結果>
1 就業スタイルの変化
(1)内職アルバイトが減って専業自営が増加
@ 97年以降、在宅ワーカーのうち内職アルバイトの割合が低下する一方、専業
自営が増加している(図1)。また副業も増加している(副業に関しては参考
表5,6を参照)。
A 通勤勤務に制約が大きい子供のいる女性が在宅ワーカーの半数を占めるが
(参考表1)、彼女たちの就業スタイルとして、内職アルバイトの割合の低下
(97年74.2%→99年49.5%)と専業自営の上昇(同23.2%→41.1%)が、特に顕
著である。
(2)専業自営の労働時間は内職アルバイトの2倍
専業自営(週平均40時間)と内職アルバイト(週平均20時間)は平均して労
働時間に2倍の違いがある。ただし、専業自営であっても育児負担の大きい「
末子3歳以下の女性」ではやや短い。それでも、内職アルバイトに比べると
1.5倍の水準にある(図2)。
2 継続年数の変化
(1)増加傾向の継続年数
在宅ワーカーの平均継続年数は年々増加傾向にあり、99年で合計は3.6年、
専業自営は4.3年、内職アルバイトは2.9年となっている(図3)。水準自体は
なお短いものの、こうした増加傾向は、一面では在宅ワークのワークスタイル
としての定着を示している。
(2)内職アルバイトへの新規参入割合の低下
@ しかし継続年数の増加は、他面では在宅ワーク市場への新規参入の少なさの
反映ともみることができる。内職アルバイトの継続年数の伸びは98年から99年
にかけてが大きいが(図3)、この間継続1年未満の者、すなわち新規参入者
の割合は低下している(図4)。
A しかし、子供のいる女性で今後在宅ワークを行うことを希望している者のう
ち半数以上(54.2%、99年)は就業スタイルとして内職アルバイトを希望して
おり、潜在的な供給はなお大きいものとみられる。
3 在宅ワークを中断・止めた理由の変化
(1)「仕事が確保できず」が増加
在宅ワークを中断・止めた者の理由としては、98年には「一時的な仕事、勤
務スタイルだった」が第一位であったが、99年には「仕事が確保できなかった」
との理由が半数以上で指摘され、トップとなっている(図5)。仕事の確保難
で在宅ワークを続けられない人が多い状況にある。
(2)内職アルバイトで高い仕事の確保難による中断・中止者の比率
「仕事が確保できなかった」という理由で在宅ワークを中断・中止した人数
の、現に在宅ワークを行っている人数に対する比率を、就業スタイル別にみる
と、内職アルバイトでその値が大きく、また98年から99年にかけての上昇も大
きい(図6)。
4 仕事の確保状況の変化
(1)「継続的」と「あったりなかったり」に2極分化の動き
@ 在宅ワーカーの仕事確保の状況は、98年から99年にかけて「継続的にある」
が増加する一方「あったりなかったり」も増えており、2極分化の動きがみら
れる(図7)。
A 99年の状況を就業スタイル別にみると、専業自営では「継続的にある」が半
数近くを占める一方、内職アルバイトでは「あったりなかったり」が4割以上
となっており、内職アルバイトで確保難の傾向が強い(同じく図7)。
(2)内職アルバイトでは仕事獲得を仲介者や公開情報に依存する傾向
仕事の獲得ルートを就業スタイル別にみると、内職アルバイトでは在宅ワー
クの「仲介的な会社・個人」、また「FWORKの募集コーナー」や「求人広告へ
の応募」などの公開情報への依存が大きい。他方、専業自営では「仕事仲間の
情報、紹介」や「自分で営業」などが多い傾向にある(図8)。仕事の継続的
な確保のためには、人的ネットワークによる情報の活用や自己の売り込みの重
要性がうかがえる。
5 報酬単価と年収の変化
(1)低下傾向の報酬単価
@ 在宅ワークの開始時と比べた報酬単価の水準は、98年には「上昇」とする者
が「低下」とする者を10%ポイント上回っていたが、99年には逆に「低下」の
方が10%ポイント上回っている。報酬単価の低下傾向がみられ、特に内職アル
バイトで著しい(図9)。職種別にはDTP(パソコン編集)・電算写植や文章
等入力・処理で低下超過が大きい(参考表9)。
A 報酬単価の水準の変化は、仕事の確保状況別にも違いがみられる。「継続的
にある」場合では99年においても「上昇」とする者が上回っている。一方「た
まに途切れる」場合には98年の「上昇」超過が99年には「低下」超過に転じ、
また「あったりなかったり」の場合は98年から99年にかけて低下超過の割合が
拡大している(同じく図9)。
(2)年収水準もやや減少
報酬単価の低下を反映し、在宅ワーカーの平均年収も99年には250万円と98
年の260万円に比較して約4%減少している。平均年収の水準は労働時間によっ
て大きく異なるが、概ね各時間区分とも前年に比べて減少している(図10)。
6 在宅ワークで困っていること
(1)仕事確保別に違い
@ 在宅ワークで困っていることの内容は、仕事の確保状況によって傾向が大き
く異なる。仕事が「あったりなかったり」、次いで「たまに途切れる」場合ほ
ど、「仕事の確保」のほか「収入が不安定」、「単価が安い」の指摘が多い。
また「知識・能力の不足」や「仕事のレベルアップが図れない」といった能力
開発の必要性を感じている(図11-1)。
A 逆に「継続的にある」、次いで「たまに途切れる」場合ほど、「腰痛、肩こ
り、目の疲れ」や「忙しすぎる」といった健康問題のほか、「病気などで納期
間際に仕事ができなくなった時の対処」の問題、また「ハードウエアのレベル
アップ」という追加投資の必要性の指摘が多くなっている(図表11-2)。
なお在宅ワークのための追加投資は、継続1年を超えると増え始め、5年以
上で初期投資額を上回る傾向がみられる(参考表8)。
7 職種の動向
(1)高まる「文章等入力・処理」の割合
@ 在宅ワーカーの職種の動向をみると(図12)、「設計・製図・デザイン」や
「文章等入力・処理」の割合が高まっている。なお98年から99年にかけて「DTP
(パソコン編集)・電算写植」が大きく減少しているが、その背景には作業内
製化の動きや報酬単価の低下などの要因が指摘できる(企業ヒアリング事例及
び参考表9)。
A 「文章等入力・処理」の割合の高まりは内職アルバイト(97年53.5%→99年
67.7%)においてだけでなく、専業自営(同じく14.2%→20.7%)でも確認され
る。
(2)付加価値が高まる「文章等入力・処理」の仕事内容
職種が「文章等入力・処理」の在宅ワーカーの具体的な仕事内容をみると、
内職アルバイトに比べて専業自営で、また継続年数が長いほど、単純なデータ
入力や文章べた入力だけでなく、データベースの構築や文章の編集など付加価
値の高い内容が増える傾向にある(表1)。
8 女性在宅ワーカーの就業スタイル変化の背景
(1)「自分探し・自己実現」減り、「経済的自立の第一歩」増加
子供のいる女性在宅ワーカーが働いている理由を、所得要因以外についてみ
ると(図13)、98年と比較して「自分探し・自己実現」や「社会とのつながり」
といった社会参加志向の理由は減少またはほぼ横這いであるのに対して、「能
力経験を活かす」や「経済的自立の第一歩」といった仕事志向の理由は増加し
ている。
(2)所得要因としては「生活維持」が増加
@ 次に有配偶の女性在宅ワーカーについて、所得要因に関する働く理由をみる
と(図14)、98年に比べて「生活維持」が増加し、「家計補助」を上回ってい
る。専業自営で働いている場合は「生活維持」が半数を占めており、所得獲得
の必要性の高まりが専業自営増加の一因と考えられる。
A なお、有配偶女性在宅ワーカーの働く理由(所得要因)別に夫の平均年収水
準をみると、妻の働く理由が「生活維持」の場合は夫の年収は平均590万円、
同じく「家計補助」の場合は670万円、そして「副収入」の場合は790万円と、
副収入の場合に比べ生活維持では約25%、家計補助では約15%、夫の平均年収は
低い水準となっている。
参 考
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