ホームページに記載されている内容の転載許可を頂きましたので ここにアップさせて頂きます。 以下、抜粋 -----------------------------------------------------------------  日本労働研究機構は労働省の委託を受けて、「情報通信機器の活用に よる在宅就業に関する研究会」を開催し、在宅就業者(非雇用者)の 就業実態の把握を行うため、「情報通信機器の活用による在宅就業実態 調査」を行ってきた。今般、同研究会は、その調査結果をとりまとめ、 日本労働研究機構から労働省に対して報告を行ったところである。  労働省としては、この報告を受け、学識経験者により構成する「在宅 就労問題研究会」を開催し、幅広い視点からさらに在宅就労問題に関す る調査、検討等を行っていく予定である。 【情報通信機器の活用による在宅就業実態調査結果要旨】 《3分の2近くが10年以内に発注開始、理由は専門的業務への対応がトップ》 1.事業所の在宅就業者への発注開始は3年以内が3分の1近いほか10年 以内では3分の2近くを占める。業務発注の理由(複数回答)としては 「専門的業務への対応」がトップであり、専門的能力を有する人材 の確保、活用の視点が見受けられる。  次いで「繁忙期への対応」や「人件費の削減」が上位を占めている。 《半数は子供のいる女性で、社会とのつながりを求めて働いている側面も》 2.在宅就業者の半数は子供のいる女性で、その過半数は末子が6歳以下 の育児期にある。ほとんどは会社員等の勤務経験があり、子供のいる 女性は結婚や出産育児で退職し「家計の補助」のほか「能力、経験を 活かす」ことや「社会とのつながり」を目的に再び働いている。  男性の退職理由としては「在宅就業のため」のほか「定年」や「解雇、 希望退職」もみられる。 《子供のいる女性の労働時間帯は夜8時以降が少なくない》 3.職種内容は「文章等入力・処理」、「設計・製図・デザイン」や 「プログラミング等」が上位にある。   労働時間は子供のいる女性で短く男性で長い傾向にあるが、子供の いる女性の場合、育児や家事が優先され、労働時間帯として夜の8時 以降が少なくない状況にある。 《在宅就業者の15%が報酬支払い等のトラブルを経験》 4.問題点(複数回答)としては、発注事業所は「仕事成果の個人差が大」 のほか「必要時に必要量をやってもらえない」、「優秀な人材の確保が 難しい」など、一方在宅就業者は「仕事の確保」や「単価が安い」を 上位に挙げ、需給のミスマッチがうかがえる。   また口頭契約が多いこともあり、報酬支払い等のトラブルの経験を 訴える在宅就業者が15%程度みられる。 《今後も拡大の方向》 5.今後については、在宅就業者の9割近くは継続を希望し、事業所の 発注見通しも「拡大させる」(約3割)あるいは「現状維持」(約5割) が中心となっている。   また、現在は発注を行っていない事業所も半数近くが、今後の導入 について「可能性はあると思う」としている。 ----------------------------------------------------------------- 「情報通信機器の活用による在宅就業実態調査」結果報告の概要 この調査は労働省から日本労働研究機構への委託事業である「情報通 信機器の活用による在宅就業に関する研究」の一環として実施したもの である。 【調査研究の目的、体制】 情報通信技術の発達に伴い、従来からの在宅就業である製造工程関連の 家内労働とは異なり、パソコン等を使って情報関連の業務を行う新しい タイプの在宅就業が広がりつつある。 こうした情報通信機器の活用による在宅就業について、非雇用の形態に 焦点を絞り、発注者の状況も含めてアンケート調査により実態を把握し、 その特性と課題を検討した。 「情報通信機器の活用による在宅就業研究会」メンバー (座長)亀山 直幸 日本労働研究機構首席統括研究員 斉藤 進 労働省産業医学総合研究所主任研究員 諏訪 康雄 法政大学社会学部教授 田村 静夫 日本電信電話(株)東京中央健康管理センタ所長 神谷 隆之 日本労働研究機構 松尾 幸代 日本労働研究機構 【調査の方法】 1.在宅就業の定義 “在宅就業者”を「パソコン、ワープロあるいはファックスなどの情報 通信機器を使って自宅で請負・フリーで仕事を行なうこと」と定義して 調査を行なった。 2.対象業種の限定 先行調査などから情報通信機器活用の在宅就業が普及しているとみら れる業種(印刷出版、情報サービス業、専門サービス業(土木建築サービス 業、経営コンサルタントサービス業、機械設計業、デザイン業等)に対象 を限定した。 3.在宅就業実施事業所把握のための予備的調査の実施 業種を限定しても普及率はさほど高くないことが予想されるため、まず 平成9年9月に往復葉書形式で情報通信機器活用の在宅就業実施事業所を 把握するための予備的調査を実施した。発送30,990社のうち2,200から 回答が得られ、そのなかで実施事業所は677社であった。 4.本調査の実施と有効回答数 平成9年10月に、在宅就業の実施が確認された前記677社を対象に事業所 調査票を郵送し、併せて在宅就業者(過去1年間に発注)への個人調査票の 転送を依頼した(合計2,278人分)。その結果、有効回答は事業所調査は216 社(回答率31.9%)、個人調査は270人(同11.9%)であった 【調査結果の概要】 1.発注事業所の特性 (1)印刷出版と情報サービスが中心で小零細規模の傾向 発注事業者の業種構成は印刷出版(28.2%)と情報サービス(26.9)で過 半数を占め、土木・建築・機械設計(15.7%)、広告・宣伝物印刷(9.3%)、 調査・経営コンサルタント(5.6%)などとなっている。 また、従業員規模は10人未満が32.8%、10〜29人が39.3%と30人未満が 7割以上を占める一方、50人以上は16.2%に過ぎず、小零細規模の傾向が 強い。 (2)3分の2近くは最近10年以内の開始 在宅就業者への発注開始年は、95〜97年の最近3年以内で3分の1近くを 占める。また92〜94年及び89〜91年を加えると最近10年以内の開始が3分 の2近くとなり、近年の在宅就業の急速な普及がうかがえる。 発注開始年 95〜97年:31.0% 92〜94年:17.6% 89〜91年:17.6% 86〜88年:12.5% 85年以前 :18.5% 無 回 答 : 2.8% (3)専門的業務への対応が発注理由のトップ 発注理由(2つまでの複数回答)をみると、全体として最も指摘の多い、 専門業務への対応は、高付加価値サービスや手頃な価格でしっかりした サービスの提供を方針としている事業所に特徴的である。同様の傾向は 労働力の確保にもみられる。一方、繁忙期への対応と人件費の削減も 上位にあるが、これらはコスト削減による低価格サービスの提供を方針と している事業所で多い。 なお、発注事業所ごとの在宅就業者数は、事業所規模や発注理由を反映 して、1人が23.1%、2人が19.0%、3〜4人が22.7%と5人未満で約3分の2を 占め、少ない傾向が強い。 サービス提供方針別にみた発注理由(2つまでの複数回答) 専門的 繁忙期 人件費 労働力 退職 一時的 業務へ への の削減 の確保 労働者 業務へ の対応 対応 の活用 の対応 合 計 39.8% 37.0% 31.0% 27.3% 18.1% 13.4% 高付加価値 サービス 44.7% 39.4% 22.3% 28.7% 18.1% 16.0% 手頃な価格 でしっかり 38.8% 31.8% 35.3% 29.4% 18.8% 12.9% したサービス コスト削減 による低価格 17.6% 58.8% 64.7% 5.9% 17.6% 5.9% サービス 2.在宅就業者の特性 (1)半数が子供のいる女性で末子は幼い傾向 性・子供有無べつには子供のいる女性が半数を占め、子供のいない 女性を加えると7割が女性で、男性は3割である。子供のいる女性の過 半数は末子が6才以下の育児期にある。 (女性子有(末子6才以下)27.4%、女性子有(末子7才以上)22.2%、 女性子無21.1%、男性29.3%) 年齢構成は、女性は育児期を反映し、30歳代(52.4%)が半数を占め、 次いで40歳代(24.1%)が多い。男性も同じく30歳代(34.24%)と40歳代 (25.3%)が中心であるが、60歳以上(21.51%)が少なくないのが特徴で ある。 (2)高い学歴と短くない会社員等勤務年数 学歴は大学(院)卒が3分の1(34.1%)のほか、短大高専卒が15.2%、専門 学校卒が11.9%の一方、高校卒は38.1%と全体として高い傾向が強い。 在宅就業の開始以前にほとんど(97.0%)の者は会社員としての勤務経験 を有しており、その年数も10年以上が29.3%、4〜5年が20.7%と短くない 傾向にある。 (3)子供のいる女性は「能力発揮」や「社会とのつながり」のため働く傾向 退職理由(複数回答)としては、子供のいる女性は結婚(46.8%)や出産育児 (45.0%)が多い。男性は在宅就業のため(53.9%)が多いが、定年(15.8%)や 解雇・希望退職(14.5%)もみられる。 子供がいる女性が働いている理由(複数回答)は、家計の補助や副収入と いう経済的要因とともに、能力経験を活かすや社会とのつながりを持つ ためといった要因も大きい。 子供のいる女性が働いている理由(複数回答) 家 計 の 補 助 :59.0% 能力経験を生かす:45.5% 副 収 入 :34.3% 社会とのつながり:29.9% 生活維持の収入 :17.2% (4)自分のペースで働けるため、また家族や家事のため“在宅”を選択 在宅就業という働き方を選んだ理由(複数回答)としては、自分のペース で柔軟・弾力的に働ける(63.7%)、家族や家事のため(48.1%、特に子供の いる女性では79.9%)、自分がやった分だけ報われ働き甲斐がある(35.6%) などが上位にある。 3.職種内容と労働者の募集、仕事の獲得 (1)入力・処理、設計・製図・デザイン、プログラミング等が上位 事業所、労働者とも複数の職種を発注し、また従事している傾向に あるため、事業所は最も多い職種(最多人数職種)、労働者は従事して いるうち専門性が高いと考えられる職種(職種類型)の状況をみると、 両者とも文章等入力・処理、次いで設計・製図・デザインやプログラミン グ等が上位にある。 発注事業所の最多人数職種と在宅就業者の職種類型 発注事業所 在宅就業者 プログラミング等 16.2% 11.9% 調査・計算処理 4.6% 8.5% 設計・製図・デザイン 23.1% 20.7% DTP・電算写植 3.7% 7.4% ライター・翻訳 6.5% 9.3% 文章等入力・処理 31.9% 39.3% その他(含む混合) 13.9% 3.0% (2)募集は縁故、退職者の応募、本人の売り込みなど 発注事業所による在宅就労者の募集ルート・手段(複数回答)としては 第一位の社員の紹介(32.9%)のほか、取引先の紹介(23.6%)、在宅就業者 の紹介(16.7%)といった縁故関係が上位にある。また、退職労働者の活用 という発注理由に対応し、退職者の応募・申し出(31.5%)も多い。さらに 本人の売り込み(24.1%)、逆に会社側からの依頼(15.7%)も少なくない。 (3)仕事獲得ルートは継続年数により変化 在宅就業者による仕事依頼の獲得ルート(複数回答)は、全体として 分散的な中で、在宅就業の継続年数が短い間は「以前の勤め先」や 「勤め先以外の知人の紹介が中心であるが、長くなるにつれ「自分で 営業」のほか「仕事仲間の紹介」や「求人広告への応募」が増加して いる。 継続年数別にみた仕事獲得ルート(複数回答) 勤め先 以前の 仕事 求人 以前の 自分で 以外の 勤め先 仲間の 広告へ 勤め先 営業 知人 紹介 の応募 の知人 合 計 23.7% 22.2% 19.6% 18.5% 16.3% 11.5% 3年未満 27.4% 34.5% 14.2% 11.5% 15.0% 4.4% 3〜6年 22.5% 11.3% 17.5% 18.8% 13.8% 7.5% 6年以上 20.0% 16.0% 30.7% 29.3% 20.0% 26.7% 4.労働時間と収入 (1)労働時間は子供のいる女性で短く、男性で長い傾向 週平均の労働時間は性・子供有無別に異なる。末子が6歳以下の女性は 35時間未満がほとんど(93.3%)で、20時間未満も50.0%を占める。末子が 7歳以上の女性も35時間未満(73.4%)が4分の3を占める。子供のいない女性 でも35時間未満が59.6%を占めるが、50時間以上も14.0%いる。一方、男性 は35時間以上(62.1%)が多く、50時間以上も4分の1(25.4%)を占める。 (2)育児期の女性は夜に働いている傾向大 労働時間帯(2つまでの複数回答)をみると、全体として通常のオフィス 勤務と同様、昼間の13〜17時と8〜12時が上位にあるが、夜の20〜24時も 3人に1人で少なくない。特に育児や家事が優先されるとみられる末子が 6歳以下の育児期の女性では過半数を占める。 労働時間帯(2つまでの複数回答) 8〜12時 13〜17時 17〜20時 20〜24時 0〜4時 合 計 51.5% 69.6% 11.1% 33.7% 11.9% 女 末子6歳以下 47.3% 54.1% 5.4% 54.1% 12.2% 女 末子7歳以上 63.3% 80.0% 8.3% 26.7% 5.0% 女 子 供 無 42.1% 71.9% 17.5% 33.3% 12.3% 男 性 53.2% 74.7% 13.9% 20.3% 16.5% (3)年収は労働時間に比例傾向 年収(継続1年以上)は全体として分散的であるが、平均の労働時間が20 時間未満では100万円未満が83.1%、また20〜34時間では50〜299万円が 72.3%、一方35〜49時間では300万円以上が52.0%、さらに50時間以上で は500万円以上が50.0%と労働時間に比例傾向にある。 平均週労働時間別にみた年収(継続1年以上)(単位:万円) 50未満 50〜99 100〜299 300〜499 500以上 無回答 合 計 13.6% 30.9% 22.4% 14.5% 15.9% 2.8% 20時間未満 32.3% 50.8% 4.6% 4.6% 4.6% 3.1% 20〜34時間 7.7% 38.5% 33.8% 16.9% 3.1% 0.0% 35〜49時間 2.0% 10.0% 34.0% 24.0% 28.0% 2.0% 50時間以上 3.3% 3.3% 20.0% 13.3% 50.0% 10.0% 5.情報通信機器の使用状況とコミュニケーション (1)3割近くが電子メールも活用 在宅就業者の情報通信機器の使用状況(複数回答)をみると、電話 (67.8%)、ファックス(56.3%)、留守電(42.2%)などの通信機器だけでなく、 パソコン(58.5%)あるいはワープロ(40.7%)などの情報機器も幅広く活用 されており(両者いずれかの使用率は87.4%)、さらに電子メールも28.9%で 活用されている。 (2)最初の受注時と仕事終了時は面接のウエイト大 在宅就業者が発注者と仕事の各段階でどんな手段によりコミュニケー ションを取っているかをみると、2回目以降の受注や仕事の進行段階では 電話の利用率が最も高く、ファックスもかなり活用されているが、最初 の受注時と仕事の終了時は面接の割合が最も大きい。電子メールは進行 段階での連絡や終了時の成果納入などに相対的に使われている。 発注者とのコミュニケーション手段(複数回答) 最初の 2回目以降 仕事の 仕事の 受注時 の受注時 進行段階 終了段階 面 接 70.7% 47.4% 13.3% 6.3% 電 話 49.6% 64.8% 28.1% 10.7% ファックス 30.0% 75.9% 30.0% 16.3% 電子メール 60.7% 37.0% 15.6% 15.9% (3)発注事業所、在宅就業者とも大都市圏とその周辺に集中 地域別分布をみると、まず発注事業所については東京の4割に南関東3県 を加えると首都圏が5割近くを占める。続いて、東海・近畿が約2割など大 都市圏への集中傾向が強い。 在宅就業者は、発注事業所に比べ東京(全体の約4分の1)がやや少ない が、南関東や甲信越など東京の隣接あるいは周辺地域の割合が大きく、 周辺への分散傾向が若干みられるものの大都市圏への集中傾向は基本的に 同様である。 地域別の分布状況 発注事業所 在宅就業者 北海道・東北 8.8% 16.7% 東 京 40.3% 23.7% 南 関 東 6.9% 19.3% 甲 信 越 4.2% 13.3% 東海・近畿 20.8% 12.5% 中 四 国 6.9% 5.9% 九 州 7.9% 5.9% そ の 他 4.2% 2.6% 6.作業環境とVDT作業(注) (注)パソコン等のブラウン管や液晶などの 画面に向かって入力などを行うこと。 (1)子供のいる女性では居間や台所、また、食卓や座卓も少なくない 仕事部屋の状況(複数回答)に関しては、全体として専用・独立的な 部屋の傾向が強いが、子供のいる女性では居間での方がやや多い。 また、台所の場合も少なくない。 また、仕事机も、仕事部屋の状況を反映して、子供のいる女性では 専用ではなく食卓(末子が6歳以下21.6%、7歳以上13.3%)あるいは座卓 (同10.8%、6.7%)といったケースが見られる。 仕事部屋の状況(複数回答) 専用・独立な部屋 居間 台所 合 計 59.3% 36.7% 5.6% 女 末子6歳以下 44.6% 45.9% 10.8% 女 末子7歳以上 41.7% 53.3% 8.3% 女 子 供 無 64.9% 35.1% 3.5% 男 性 82.3% 16.5% 0.0% (2)VDT作業への発注者の指導や自分自身での配慮は少ない 在宅就業者のVDT作業への発注者の指導状況は。「指導をしている」 (1.9%)はわずかで、具体的には行っていないが「必要を感じている」 (27.3%)も多くはない。過半数は「個人で対応する問題」(61.6%)として 行っておらず、「関心がない」(8.3%)もみられる。 自分自身での配慮状況も、気を付けていても「どちらかといえば」 (41.1%)が中心で、「かなり」(12.3%)は多くない。逆に、「どちらかと いえば気を付けていない」(29.2%)あるいは「ほとんど気を付けていない」 (16.9%)が半数に近く、全体として低調である。 (3)かなりの者が眼精疲労、肩凝り等を感じている 仕事上のVDT作業により感じている症状としては、眼精疲労が8割、 肩凝りが7割、腰痛が5割とかなり高い割合である。 症状を感じている場合の通院治療率は、眼精疲労では5.7%、肩凝りで は14.4%、腰痛では11.2%、また胃痛は18.4%といった状況にある。 VDT作業により感じている症状 かなり感じている やや感じている 眼精疲労 37.3% 44.1% 肩凝り 31.4% 39.4% 腰 痛 17.8% 31.4% 胃 痛 3.8% 12.3% 7.問題点やトラブル (1)需給のミスマッチなどが問題点の上位 在宅就業の問題点(複数回答)としては、まず、発注事業所側では 「仕事成果の個人差が大」の指摘がトップとなっており、事前に能力 を把握することの難しさがうかがえる。 発注事業所側では続いて、「必要時に必要量やってもらえない」や 「優秀な人材の確保が難しい」が挙げられている一方、在宅就業者側 では「仕事の確保」と「単価の安さ」が第一に指摘されており、需要 と供給のミスマッチが生じている状況にある。 また在宅就業者側では「能力、知識の不足」や「ハード、ソフトの レベルアップ」、「仕事スペースの確保」の指摘も少なくなく、能力 開発や仕事環境の整備の遅れも意識されている。 さらに、納期に関する問題が共通的に指摘されている。 発注事業所側からみた問題点(複数回答、10%以上) 仕 事 成 果 の 個 人 差 が 大 :44.9%% 必要時に必要量をやってもらえない:32.4% 優秀な人材の確保が難しい :31.5% 納 期 が 守 ら れ な い :17.6% 機 密 保 持 が 難 し い :11.6% 在宅就業者側からみた問題点(複数回答、10%以上) 仕 事 の 確 保 :40.0% 単 価 が 安 い :39.6% 能 力、 知 識 の 不 足:21.9% ハード、ソフトのレベルアップ :19.3% 税 務 問 題 :15.6% 仕 事 ス ペ ー ス の 確 保 :15.2% 納 期 間 際 の ト ラ ブ ル :14.8% (2)口頭契約も多く、在宅就業者の15%が報酬支払い等のトラブルを経験 発注者との間で報酬支払い等に関するトラブルが「たまにある」と している在宅就業者は14.8%と少なくない(「よくある」を含めると 15.2%)。 この背景の一つとして契約の仕方の不明確さが考えられ、在宅就業者 側からみて(複数回答)、契約は高等(49.6%)による場合が最も多い。 また書面であっても契約書形式(24.4%)はあまり多くなく、伝票形式 (29.6%)あるいはメモ程度(15.6%)といった手段が中心となっている。 8.今後の見込みと希望 (1)発注は維持拡大の傾向、就業者も継続希望強い 発注事業所の今後の発注見通しについては、現状維持が半数である が、拡大させるも3割強を占めており、維持拡大の傾向が強い。残り は不明が多く、縮小や中止は少ない。 次に在宅就業者の今後の希望については、「ぜひ」が半数強、 「できれば」が3分の1と継続希望が約87%を占めている。ただ、迷って いる者が1割強存在し、子供のいる女性(16.4%)にやや多い。迷って いる理由(複数回答)としては、収入が少ない・不安定(68.6%)、一時的 な仕事(31.4%)、体力的に無理(22.9%)などとなっている。 今後の発注見通し 拡 大 さ せ る :31.9% 現 状 維 持 :48.6% 縮 小 さ せ る : 3.2% 中 止 す る : 0.5% わ か ら な い :15.8% 在宅就業者の今後の希望 ぜひ続けたい :52.6% できれば続けたい:34.1% 迷っている :12.2% 止めたい・無回答: 1.1% (2)発注していない事業所でも半数で可能性 現在、在宅就業者への仕事発注を行っていない事業所の今後の導入 見込み・可能性については、現に「導入について議論検討中」が 3.8%、また、「可能性はあると思う」が47.3%と半数の事業所では 可能性を指摘している。