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「自宅で仕事」
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第1部  みんなで知ろう「自宅で仕事」の実態と可能性


スピーカー紹介
コーディネーター
神谷 隆之氏
昭和55年労働省入省、平成6年日本労働研究機構テレワーク研究会メンバー
著書「在宅ワーク解体新書」(日本労働研究機構1999)
パネリスト
W.A.スピンクス氏
城西国際大学経営情報学部助教授、国際フレックスワークフォーラム副委員長
著書「テレワーク世紀−働き方革命」(日本労働研究機構1998)、「企業テレワーク入門」(共著)(日本経済新聞1999)他
会田 和子氏
(株)いわきテレワークセンター代表取締役
著書「就職せずに自宅のパソコンでバリバリ仕事をする本」(かんき出版1998)
山口 秀美氏
(株)リクルート発行「とらばーゆ」編集デスク


在宅ワークの実態調査を通じてみえてきたことから、

●日本で在宅ワークはどうように位置付けられているのか(神谷氏)
●国際的な視野からのテレワークについての概況(スピンクス氏)
●いわき市の住宅地で根付きつつあるテレワーク促進の秘訣(会田氏)
●就職情報業界からみた在宅ワークの動向(山口氏)

を各専門家に報告していただきました。以下、その要旨を掲載しております。
在宅ワーク位置づけ
○ 雇用型に比べ、在宅ワークは自由ややりがいも大きいが自己責任や仕事の確保など非常に厳しい側面もある。(神谷氏)

○ 在宅ワークの形態は雇用型との比較で2つのタイプに分類。
  • 専業自営的な働き方(会社員との対比):雇用ではなく、自分のやりたい仕事を働き甲斐をもってやりたいという考えで、家で自由に働く。働き甲斐の中で自分のペースで自由も満喫できる。一方、責任がすべて自分にあり、営業から保険まで自己管理の徹底が必要。収入の安定度は会社員より低い。(神谷氏)
  • 内職アルバイト的な働き方(パート・アルバイトとの対比):家庭・子育てとの両立のため家で都合のよい時間に仕事ができること、営業して仕事を得るより与えられて仕事を進めることに魅力あり。仕事確保難、深夜労働の課題あり。(神谷氏)
    スキルアップは不可欠。自ら積極的な投資、スキルアップを図る必要がある自立的な働き方と捉えて欲しい。(会田氏)
○ 専業自営的(事業主)と内職アルバイト的という分け方だが、このいずれのうち一つを選べば永遠に続くという発想で選んで欲しくない。内職アルバイトしか今の段階ではやれないかもしれない、或いは精神的にその余裕しかないしれないといった場合でも、事業主(自営業)の予備軍であるという、自分のライフスタイルや価値観など置かれている立場、能力のレベルによって選択を変える余地があるという意識、フレキシブルな発想が必要。(スピンクス氏)

○ これからの在宅ワークはどのような形にしろ、自分が何ができるのか、何が強いのかという課題意識を常に追求しないと労働市場の周辺に追いやられる位厳しい。(スピンクス氏)
アメリカとの比較
○日本は企業での在宅勤務はまだまだ定着しておらず、請負(非雇用)中心。

○ アメリカなど海外は流動的な市場で、職務単位、コスト意識が徹底している。その土台の上で在宅ワークや様々な働き方のメニューが用意されフレキシブルな働き方が選択できる。その中で在宅勤務者の割合も非常に高い。

○ 日本の個人在宅ワーカーは「仕事をさせて頂いている」という意識。欧米の在宅ワーカは思い上がりかもしれないが「仕事をしてやっている」という意識が強い。もちろんさせて頂いているという意識は美徳かもしれずあって構わないが、「仕事をしてやっている」要するに「自分はこれだけ能力があって対等な形で仕事をしている」という位の意識がないとやっていけない面もある。意識を裏付ける自分のスキルを絶えず磨いていく必要あり。
いわき市にみるテレワーク促進

○ 一般的に、大きな仕事を受注し仲間や登録在宅ワーカーに再発注する在宅ワーカーや会社が出てきている。メリットは大きな仕事を受注し価値を高める事で在宅ワークのレベル、世間の評価を高める事や、営業は苦手だが仕事はやりたい人への仕事の提供がある。一方(現在さらに動向調査中だが、)自由で自分の判断・ペースで仕事をするのが本来の在宅ワークの意味であったのが、再発注化・グループ化によりリーダ・スタッフのような会社の上下関係に似た関係が生れてくる可能性ありと考えられる。(神谷氏)

○ テレワークセンターの在宅ワーカーは内職ではない。内職的なものも要素としてはあるが内職と呼ばずテレワーカーと呼ぶ。要件を整理しながらイコールパートナーという形態を作っていくことが新しい仕事の新しい働き方。

○ 在宅ワークを希望するというのは、単にやりたいと言っているだけではなく、必要ならば教育・パソコンなど仕事道具に自ら投資してそれでも始めてもいいんだという強い動機が必要。

○ テレワーカーを支援する業務は、いわきテレワークセンターの場合4つの業務が柱。在宅ワーカーを支援し、在宅ワークの質の向上を目指す。
  • 受発注システム:業務を発注するクライアント、その仕事をするテレワーカーをマネジメント。
  • スキルアップ支援:テレワーカーは極めて高い専門性が求められるため、テレワーカーは何が強いのか何が出来るのかという事がいつも重要課題でなくてはいけない。丁寧なスキルアップ支援が必要と判断し、通信教育、テレラーンニング、インターネットを使った教育、ヘルプデスク導入を整備。成果は個人差はあるが、パソコン初心者でも1年集中的にポイントを押さえて理解してもらうと、入力の速度や画像に関する知識の信頼性がぐんと高くなる。昨年アマチュアだった人が今年インストラクター業務が出来るという位に熟練出来るのが今の技術のいい点でもある。
  • 会員テレワークネットワーク:孤独、不安などの解消のための仲間作りが狙い。インターネット上の掲示板やチャットを使ったコミュニケーション、オフラインでの定期的なガイダンスやフィードバック会議など。(その模様をまたインターネット上の会員ボードに紹介)頻度を重ねて交流出来る様にして空間を共有化。
  • プラザ事業:町が共同でもっているサテライトオフィス運営支援。民間だけでなく行政、大学の協力もあり運営。在宅ワークをやりたい或いはSOHOで取組んでいる人のバックオフィス、研修・講習会へ参加できるなどテレワーカーのための共同の活動拠点。

就職情報界の在宅ワークの動向
○とらばーゆのコンセプトの1つは「仕事とプライベートのグットバランス」男女対象求人情報誌。

○ とらばーゆ、号当たり1200〜1300件の情報の中で、業務委託契約で掲載されているのは5件〜10件以下。まだまだ少ない働き方だがコンスタントに紹介されていることも事実でチャンスはある。正社員で在宅という働き方もかなり少ないがあるとことも事実。グラフィックデザイナーやSE・プログラマーなどは打合せやプロジェクト管理等のために出社する義務は何日かあるが、何日かは在宅で仕事をしても構わないという様な門戸が開かれつつある。

○ 在宅ワークを目指すなら
  • 正社員で働いている方:正社員でいるうちに人脈とスキルと会社の仕事の流れの構造をしっかりと把握しておくこと。会社もいろいろな働き方を認めはじめているので、その人が会社にとって必要な人材であれば、いろいろな働き方を許す措置が出きてくる。正社員のうちに出来るだけ自分にスキルをつけておくことは第一前提で大変大事なこと。
  • 仕事を辞めてしまった方:今在宅ワークで進んでいる分野はインターネット・コンピュータ周りの仕事だが、その技術革新は非常に早く設備投資もいるしスキルもいる。出来るだけ早くキャッチアップするためにブランクは短ければ短いほどいい。そして何らかの形で仕事を続けることをお勧めしたい。
  • これから何か仕事を始めたい方:個人的な意見だが、何らかの形(アルバイトでも派遣スタッフでも正社員でも)で1回会社組織に属することをお勧めしたい。フリーでやっていくことは、経営・マネジメント・収入というものを経営者の形でマネジメントしていくことだが、そういう身分になることは自分自身に合わせて考えてもかなりきついことだと思う。まず将来在宅ワークでやろうと思う仕事を組織に属して始めてみる。中心は仕事なのでやりたい仕事を必ず選ぶこと、人と人との繋がりが1事業者としてやっていくにはとても大切なのでその準備をしていくことをお勧めする。
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