|
3.各国テレワーク事情視察所感
|
〜槌音響くヨーロッパ〜 |
|
|
@ポルトガル・スペインの町並みから
・仕事より生活が大事という国民性(食事はあさ6時台、昼1時、夜10時。その間に適宜間食を愉しむので日に5回。午後は3時間休憩して、その後ぼちぼち8時半頃まで働くというお国柄。都市の中でも「下駄履き住宅」が多く、職住が接近しているので、敢えてテレワークを指向する必要性が薄いともいえ、また、自宅にまで仕事を持ちこむという感じは少ないようだ。但し、最近では変わってきたのか、空港などでパソコンを取り出して仕事をしている人を複数みかけた。
・ポルトガルは、かつて栄華をほこっていた頃に築いた都市や建物を維持しきれず、荒廃した建物なども目立った。その中でも生き生きと暮らす人々の温もりがある。
・スペインは、景気低迷から抜け出しつつあり、都市計画が公共の強いイニシアチブで進められている。テレワークといってもぴんとこないのはポルトガルと同様。
|
|
|
Aモンペリエ(フランス)
・フランスで積極的にテレワーク推進に取り組んでいるのは、国土庁(ダタール)。
・フランスには、幾つかのテクノポリスがあり、「モンペリエ地中海テクノポール」もそのひとつ。モンペリエは、日本で言えば富山のようにかつては薬売りの商人が集い、これをもとにヨーロッパでも、日本でも有数の医科大学ができた。やがて、薬学、農学その他の学科もでき、大学の街となる。モンペリエ市長は、研究学園都市としての資質をいかしてテクノポリスの構築を思い立ち、ダタールの力を得て都市づくりを開始。「医療」、「農業」、「情報」、「通信」、「観光」がテクノポールの5つの柱。CATV網を整備。
・南欧の凌ぎやすい気候でフランス人が好む居住環境。知的な人材の集積・定着が一番の狙い。
・テクノポールのスタッフにテレワーカーはいないが、インターネットの活用により急増していることも考えられる。例えば、通訳者の夫は、モンペリエに住みながら、イギリスの自動車関係の技術雑誌を専門に扱うライター。基本的にインターネット(今年夏〜)やFAXを活用して自宅で仕事をし、3ヶ月に一度程度イギリスに出向いている。大学関係者も、自宅で研究活動などを行っているのではないか。
・ちなみに、ニュースでもソフィアテクノポリスづくりを進めており、モンパエリエより規模も活力も上回っている模様。国際観光都市として各階のVIPが集うため、最初のインターネットサービスなども完備し、ダイナミックなテレワーク都市といえるかもしれない。一度は視察してみたい都市。
|
|
|
Bイギリス 〜シティーとドッグランドは、丸の内とお台場のよう〜
・テレハウスは、日系資本のテレコミュニケーション対応のハウジング企業。日本、ニューヨーク、ロンドンの三代都市にテレコミュニケーションのための拠点を設置する。ユーザーは、テレコム関係会社の他、証券会社やインターネットプロバイダーなどがバックアップオフィスとして入居。
・テレワーカーはいないが、インターネットプロバイダーなどはSOHOでもリスク管理を考えてここの設備を利用しているケースもあるとのこと。今後、情報通信網の発達に伴って個人レベルでも様々な情報サービス業を展開するようになると、リスク管理を考え、このような機能を活用したり共同保有する方向も必要になってくるであろうと感じた。
・ゼロックスはかつて、「ネットワーキング」というプロジェクトで一時的に在宅者の活用をしていたが、現在はテレワーク実践はしていない(ゼロックスUK欧州本社とも)。
・ゼロックスUKは、営業部隊をPC通信でつなぎ、「チーム」で動けるようなしステムを構築し、本格稼動しようとしているところ。内部の業務連絡のほか、社内外の様々な専門知識間のリンクも効率的にできるということで効果あり。欧州本社は、マネジメント集団でもあり、もとよりフレックスワークがベースとしてある。快適で機能的なオフィスの活用が働き方のメインであり、テレワークはいない。
但し、将来のバーチャルオフィスの展開は視野に入れ始めた模様。また、個人向け機器の販売が伸びていることから、SOHOは確実に進展しているのではないかと担当者もみている。
・イギリスは、不況から立ち直る途上にあるが、全体としては民間活力が旺盛。
・新聞でたまたまシングル親家庭に13年間で2倍に増えたと書いてあった。女性の就業率ももちろん日本より高い。
|
| |
Cドイツ 〜東西統合後の首都大変革の時代の中で〜
・ベルリンでは、東西ベルリンの統合の現場を視察。何百本とそびえる工事用クレーン。ボンからベルリン主要な首都機能の移転を図るため、大規模な工事が進められている。また、壁を挟んでのかつての空白地帯には、現在、ダイムラーベンツやソニーを核とする民間の大規模な再開発事業が進んでいる。都市基盤づくりでは、上物の整備と共に、交通体系整備、廃熱利用、そして光ファイバー網による通信基盤の整備が進められている。
・ベルリン市庁舎を拝見したが、テレワークについては未だ実施せず。
・ドイツでは、フレックスワーク制が当たり前となってきており、例えば、朝7時〜午後3時までといった働き方を採用する人が多くなってきているとのこと。午後の時間を家族との交流や趣味、家事など好きなことに充てているらしい。
日本よりは職住が接近しており、テレワークの必要性も日本ほど切実ではないかも。都市内も緑豊かで、混雑も少ない。
・案内のドイツ人女性と歓談。20代半ばでシングル。将来も結婚はせず、しかし子供は何人か欲しいとのこと。部屋も仕事も友達もあり、このうえ夫は必要ないとキッパリ。ドイツでは、そんな女性が増えているとのこと。ドイツ人は、今回の政権交代を比較的冷ややかに見ているような気がした。その一方で、人間関係の修復の方が切実という感も(孤独な子供や高齢者の問題の顕在化、ネオナチなどに入る若者などに危機感を覚えているらしい。)
・ダルムシュタットにある国立情報処理研究所では、2〜3年の準備・実験を経てテレワークを実践している。実践の結果、
・研究職以外の様々な職種でテレワークが可能であること。
・経験者の多くが生産性の向上を感じてること。
・週3日オフィス、週2日自宅程度がやりやすいとのこと。
などがわかり、デスクシェアリング、バーチャルオフィス的な機能などを組み合わせて快適な仕事をしている。
・ドイツでは、IBMなどが、大規模なテレワーク実践をしており、民間の方がより進歩しているとのこと。それでも、テレワークはまだ一部で、一般家庭へのインターネットの接続はまだまだこれから。また、プロバイダーなその立地も少なく、国内で快適ならテレコム、ヨーロッパのどこでも使いたいならIBMなどの使い分けをする必要はあるとんこと(*移動電話システムの進化でその必要はなくなりつつあるが)。情報インフラの整備やプロバイダーの立地などを含め、地域格差が歴然としていることも否定できない。
|