欧州テレワーク事情視察所感

1998.10.21 堀越久代

D所感 〜後の各国視察の結果を含めて〜

欧米の中でも、国により進捗の違いがみられる 〜北高南低の傾向で〜
例:
・カナダのケベック州やスエデーンのなどでは、学校に100%パソコンを設置。スエデーンは、そのうち97%がインターネットに接続→IT基礎力が高い
・一方、アイルランドでは、最近やっと電話の普及率が他国においついたところ。
パソコンがあっても使える人が少ない状況
・フランスは、ミニテルという固有のPC通信情報ネットワークを持ち、国民に良く利用されているが、このことがインターネット接続の普及を遅らせていた。
・イタリア 、ドイツなどは日本におけるテレワークの推進と似通ったプロセスが見うけられる。すなわち、大きな企業(IBM、シーメンスなど)による実践とそのPR、行政による慎重でやや遅れた対応・・・
・概ね北の方ではテレワークが進み、南の方では進捗が見られない。気候条件、もともとある働くことに対する意識やスタイルの違いが大きいと見られる。

情報社会が進展する中で、日本と概ね似通った状況が同時進行しているようにみられる。
例:
・「テレワーク」といっても、一般の人々にはまだまだ周知されていないのでは?
その中でも、敢えてテレワークという概念を認識するまでもなく、大きな組織による動きを超えて個人レベルでの取り組みが先行しているのではないか?
・情報化といっても、ISDN、CATVなどの回線やインフラ整備の状況は様々。また、インフラを整備してもインターネットへの加入は決して一般的とはいえない。インターネットを活用したサービスなどの開発・普及もまだまだこれから。テレビのニュースなどで、遠隔医療キッドが売り出されたこと、IBMが小規模事業者向けの情報サービスをはじめたことなどが取り上げられていた。これらは先進的なほうの事例。泊まったホテルで部屋から無事にPC通信ができたのはわずかに2箇所だけだった。
・働く女性の問題(在宅ワークに感じているメリット・デメリット意識も酷似、北欧でもあるジェンダー問題・・・)の実態は、日本とそう変わらないのではないか?
・但し進んでいる点は、「テレワーク」が働き方のオプション」ではなく、情報化社会における「当たり前の働き方」として公的に認知され、マイクロエンタープライズや請負型の在宅ワークも含めて、具体的な対応方策を考える段階に入っているということ。日本でも在宅ワークのためのガイドラインをこれから作ろうとしているが、欧州ではすでに一般の企業や個人のための簡単なマニュアルを既に作成・配布している。

欧州統合に向けての課題も大きい
・欧州内でのパスポートの提示が必要なくなった(英国は例外)、ユーロー通貨の案内ポスターが各所でみられるなど、統合にむけての動きが目に見えている。
・衛星を利用した新しい移動電話システム(イリジウム)の出現により、通信環境も世界的に整いつつある(後日田川氏談より)。
・但し、経済状態、情報インフレやIT教育の水準、働きかたといった視点からだけみても、各国の状況は様々で、多様性を尊重しつつ、競争・共存のための様々な活動への機会均等を実現していくには課題が山積。

        ひとつ前に戻ります                 次へ