日本ベンチャー学会イノベーション研究部会第二回シンポジウムは
御蔭様で1998 12/12(土)に無事終了致しました。
当日は師走で告知がその週の火曜日であったにも関わらず、当学会の他、
各省庁、電子情報通信学会、映像情報メディア学会、IEEEの幹部の
方々百数十名という多くの方に御参加頂きました。
テーマ:研究開発型ベンチャーと大企業のイノベーション
主 催:日本ベンチャー学会イノベーション研究部会
場 所:法政大学 市ヶ谷キャンパス55年館3F833教室
東京都千代田区富士見2−17−1 TEL03-3264-9893,FAX03-3222-6425
JR中央線、営団地下鉄有楽町線、都営地下鉄新宿線市ヶ谷駅下車徒歩10分
日 時:12月12日(土)午後(13:00-17:15)
スケジュール(総合司会:三菱電機梶Aイノベーション研究部会幹事 中原 新太郎)
13:00-13:30 法政大学総長、日本ベンチャー学会会長 清成 忠男氏
13:30-14:00 轄総ロ基盤材料研究所 副社長、元NEC基礎研究所長 篠田 大三郎氏
14:00-14:40 潟香[ド 代表取締役社長、元カシオ計算機専務 志村 則彰氏
14:40-15:20 IDEO JAPAN 代表、デザインディレクター 深澤 直人氏
15:20-15:30 休憩
15:30-17:30 パネルディスカッション
篠田 大三郎氏、志村 則彰氏、深澤 直人氏
プロサイド社長、元ソード社長 椎名 尭慶氏、
日本テクト社長 増岡 厳氏、平野デザイン設計社長 平野 哲行氏
横浜市立大学商学部教授、イノベーション研究部会長 吉川 智教氏
東京大学文化研究科教授、イノベーション研究部会幹事 丹羽 清氏
18:00-19:30 懇親会
以下に、当日の討議の様子を示します。
法政大学総長 清成 忠男氏
・企業家の機能の理想は新技術、アイデアの企業化であって発明者や
資金供給者である必要はない。
・ブレークスルー型からインチアヘッドの企業家へ
・ベンチャーと大企業は時間感覚が異なる。
NEC基礎研究所長->国際基盤材料研究所 副社長 篠田 大三郎氏
・ベンチャーは個人ではできない。日本も開放的なネットワークへの移行を。
・必要な情報と支援はアイデアの市場価値判定(技術の変化に応じた迅速な)、
創業者のインセンティブ、マネジメントチーム(ステージに応じVCから)等
・障壁は閉鎖的なネットワーク、失敗を許さない社会風土、融資の個人保障等
・評価の重要性Vision-Plan-Do-Seeと弱点も積極的に述べる透明性
カシオ計算機専務->ロード社長 志村 則彰氏
・外に出ると変化が見える。変化をどう見て、どう差別化するか。
・カネ、モノ、ヒトより何を、どうプロデュースするか。
・独立は50代前半に:社会的実績があるので信用できる。
・企業家:プロデューサー、まず自分でテーマを決める事からスタートを。
・企業は規模に関係なくリーダーが何をするのかがキー。
・良い仕事程厳しい、好きで初めて越えられる。
IDEO JAPAN代表 深澤 直人氏
・革新は「しろ」と命じられてできるものではない。
・革新のプロセス:ラピッドプロトタイピングとブレーンストーミング
・キーワードはF(Fail)L(Lefthanded)O(Out there)S(Sloppy)S(Stupid)
・一攫千金狙いはモラルハザード、社会性に根差しているか考えるべき
SORD->プロサイド社長 椎名 尭慶氏
・大企業とベンチャーの差(SORDを東芝に売却後も2年間は社長)は直観力
(ここぞというポイントを捕まえ価格差、時間差攻撃)vs組織力とスピード
・ベンチャーはネットワークと仕組みを考える構想力が必要。
・ベンチャーから学ぶもの:型外れのものを理解、社員と顧客の両方を教育
・日本は学校秀才を集め過ぎ、日本のVCは本気で企業を育成した経験なし。
・大企業と争わないニッチトップ戦略。
・大企業は金ではなく素のままのゼロベースでOn demandで思考せよ。
・現場、実、物が大切。
日本テクト社長 増岡 巌氏
・情報は受信と共に発信(プロト以前のバラック状態で)
・アウトソーシングは価格以外に問題発生時の対応能力(大手に揉まれている
企業を)、一々指示せずにすむ生産技術等を重視。
・開発とマーケティングでは一人勝ち現象を意識し、互換性を失わない程度の
差別化を
・企業の大きさより市場を見よ。
平野デザイン設計社長 平野 哲行氏
・財務・技術+デザイン
・プランナー、プロデューサー、コーディネーター、ストラテジストの分業。
・日本は結果平等主義からの転換を
・プロとは何か、金に対して何を返すのか(時間ではない)
また、会場の早大 大須賀教授、IEEE EM-S Tokyo山田Chairman(三菱総研)、
映像情報メディア学会 和久井氏、通産省 サービス産業課長 加藤氏、
科学技術庁科学技術振興局 宮林前局長等から
・大学が障害になっている。 ・ベンチャーバブルへの反省。
・ソフトベンチャーへの取り組み。 ・規制緩和と競争の必要性。
・今後の部会への期待等が語られた。
講師略歴
・清成 忠男氏:東京大学経済学部卒、法政大学経営学部長、同学産業情報センター長
同学ビジネススクール教授を経て現在同学総長。早くからベンチャーに注目、また
社会人大学の導入にも先鞭をつける。ベンチャーエンタープライズセンター理事等
兼任。日本ベンチャー学会設立と同時に会長に就任。
・篠田 大三郎氏:NEC基礎研究所長、後、同社米研究所を立ち上げた後、KSP
(神奈川サイエンスパーク)内のベンチャー企業、国際基盤材料研究所に転じ、現在
同社代表取締役。
・志村 則彰氏:カシオ計算機専務、顧問からベンチャーのシーケンスに転じ、同社
代表取締役副社長として、カスタムLSIの開発部隊を率い、その後独立。
カシオ時代は「電卓戦争」の指揮官として「答え一発カシオミニ」を生み出し、
多くの企業を撤退に追い込む。その後、Gショック、電子楽器、カーナビ等の
カテゴリーキラーの指揮官として知られる。NHKの電子立国日本の自叙伝下巻
P160等で紹介される。現在、潟香[ド 代表取締役社長。
・深澤 直人氏:多摩美術大学立体デザイン科卒、セイコーエプソンを経てIDEO入社。
NECのデザイン言語開発、アップル社のコンシューマーデザイン言語等開発。
IDEA(米国工業デザイン優秀賞)金賞、IF賞等受賞多数。カリフォルニアカレッジ、
スタンフォード大学プロダクトデザイン科等非常勤講師、多摩美術大学講師。
IDEOはロンドン、シリコンバレーに本拠を有する世界的デザインネットワークで、
デザインだけではなく、製品開発代行、コンサルティング、また、北米ではベンチ
ャー支援も手がけており、日経ビジネス1995.6.19号P90等で取り上げられる。