1.問題提起、趣旨説明:日本ベンチャー学会イノベーション研究部会幹事、 KANSAI@CANフォーラム運営委員、関西ベンチャー学会理事、三菱電機 中原 新太郎 ・ネットバブルが崩壊した現在、やっと「IT」関連について、地に足がついた議論が できるようになり、3月に横浜でシンポジウムを行った。 ・今回は、その時に是非関西でという声に応えたもので、日本ベンチャー学会イノベーション 研究部会にとっては初の関東以外での行事である。 ・5/29に発足したばかりのKANSAI@CANフォーラムにとっても初のシンポジウムであり、 両団体ともに外部団体との共催は初めて。 ・今回のキーワードは「IT」、「イノベーション」、「地域活性化」 2.Openinng Remarks:関西ベンチャー学会会長、日本ベンチャー学会理事、 大阪市立大学教授 塩沢 由典 氏 ・関西ベンチャー学会の概要説明 ・関西:失業率高い 京都:インキュベーション機能上手く働いている。 大阪:ようやく動き出した。繊維から重工業への転換が遅れた。 電子商店では負けていない。 ・i-modeが出てきた中で東京先行。 ・バイオインダストリー 関西には多く研究組織・大学がある。 企業側が戦略的に動いているのか見えない。 ・USJ:これを起点に映像産業を育てたいが目処が立っていない。 3.KANSAI@CANフォーラム紹介:KANSAI@CANフォーラム主査、         大阪大学大学院 国際公共政策研究科 教授 辻 正次 氏 ・月1回セミナーを開催している。ITを核に地域の情報を活性化。 6月:デジタルアーカイブ、7月:ブロードバンド ・今までの技術開発力がこれからも伸びているのか? ・教育制度からくるもの ・後継者不足、グローバル化を受けた海外移転。 ・なかなか光明が見えてこない。 ・マクロ的に見て厳しいものを一括して解決する方法はない。 ・地域毎に個々毎に努力する方向。 ・CANは危機感を持った人間が集っている。 4.基調講演:岩手県立大学学長 西澤 潤一 氏 ・ITの成長は終わっていない。これから第二波がくる。 今こそ、ITを応用したビジネスを考えるチャンス。 ・関西には期待をしている。 ・光は日本で先鞭をつけたと思っていたのにひっくり返された。 米:機械を積み上げて自分でシステム、町単位で整備。 日:生駒の試験、自分で買い取った人はいない。    その代わり、人がやると右へ習え。 ・最新のハードをつかんでいないと良いソフトもできない。 日:ハード先行でソフトにアダプトしていなかった。 米がものづくりを諦めたという認識は間違い。研究では英先行。米は実用化強み。 ・開発を米がギブアップしたと見たのは間違い。 ・イノベーションを生み出すためには独自性、自由な発想力が必要不可欠で 米:何もないところに道路→後から町。日本は逆。 英:研究は世界のトップだが、開発は米が上。    英は人の下で働くのを嫌がる。米は競争が激しいのでチームワーク。 ・ITという言葉に引き摺られるな:概念が先行するとモノが進まなくなる。 ・イノベーションは必然の先見にありby関本 後になってからは当たり前。八木先生の昔から光は大切だよと言っていた。 ・数十年単位で物事は進む。 ・ITやってる人間と考え方が通じない。世代間のギャップ。 ・情報社会に向けての教育、先取りが必要。 かつてTVに鍵をかけた時代があった。子供に見せる時間を限定。 今は問題はないのか?今でも問題はある。 ・ITの本質:生活の総てが変わる。変えていかなければいけない。 どこかで金儲けをすると皆が奪い合う。   先行者利益がないので、先行者がいなくなってしまう。 ・インターネットは本当に良いとは限らない。インターネットもこける可能性ある。 ・システム開発必要。郵便局にクールボックスの設置をする等。 良い考えは特許にすれば金になる。 残念なことに日常生活への活用が遅れている。 ・東北地方の特徴:米に一番近い(無中継は10,000kmが目安by関本)。 アンカレジとで5500km、シアトル7200km、サンフランシスコ7800km、 セントローレンス島経由でロンドン11100km、レイキャビク9300km 最近、セキュリティが問題視されなくなったが、通信基地は分散要。地震対策等。   例、米向けは東京・東北、アジア向けは関西と東京。     通信途絶が一週間続くと大変な事に。 海底ケーブルで氷の下を通していた方が良い。近海では漁船や鮫が害、これよりマシ。 ・基幹回線にゆとりがある今がビジネスチャンス。 端末が賑わってくると回線が余裕が無くなってくるので、 仙台でも実験:胎児の背中に腫瘍。ここに光ファイバーを差込み中を見る。 この画像を診断を外部の権威に頼むことが可能。 この種のものは現場でやるものであって、頭で考えるものではない。 従って、一番強いのは大阪だと思っていた。 ・教育でも暗記ばかりなので、考える能力を奪っている。   次から次へと覚えていかねばならず、妄想を抱くと受験に落ちる。 5.パネルディスカッション 5.1.住友電工 特別技術顧問(元副会長)、 IEEE Japan Council Chair  中原 恒雄 氏 ・失業率が最悪、株価が最低 ・日本には工場は作らないという話やリストラ ・新しいビジネスは容易ではない。住友電工でも取り組んできた。 ・ベンチャーの目的は雇用の創出。 スリム化の中で企業内ベンチャー尻すぼみ。 ・地域社会でのベンチャーの育成。 ・実体験をもとにして TV放送アンテナ(55年〜 国内シェア50%超) 貨車番号識別(65年〜 プロジェクト中止、 光通信方式に新展開) 漏洩同軸ケーブル(66年〜全新幹線ネットワーク) 高温超電導(88年〜 研究開発) ・住友電工によるベンチャーの育成 白川教授と半導体設計:シンセシス(98年設立、資本金1.35億、売上10億円) コンテンツ加工:宇宙情報システム研究所(99年設立、資本金2.6億、売上0.2億円) 創薬:アップサイエンス(99年設立、資本金3.0億円) ・地域社会におけるベンチャーの育成 科学技術庁+大阪府:大阪地域COE(テラ光基盤技術開発)地域における結集型   事業化のための予算がおりないため、タイムラグ。   ネットワーク型の地域COEが必要。 ・近畿技術開発基盤整備 デジタルニューディール:日本工学アカデミーに12億円を入れてDB、ネットワーク 電子情報で暗黙知を公開、ヒューマンネットワークを電子会議室で強化 5.2.政策研究大学院大学 政策科学研究科 教授 橋本 久義 氏 ・日本:過密なので地域集積しやすい。   擬似集落をつくる。工業会等。この中で情報交換。   これを地域的ではなくて空間的にやってしまうのが日本の特徴、 レベルが揃ってしまう。 ・日本がITの後進国という認識は間違い。 ・ITの分類:もしもし、売り買い、お便利、お遊び、モノ作り お便利IT:索引・カタログ等、これを緊急に整備する必要。 あとは、あってもなくても良いか、普及しないか。 売り買い:上手くいくわけがない。悪い人間も無制限に参加できてしまう。       小さくて安いキーパーツを安く流し、いきなり止めればライバルは潰せる。 もしもし:これで豊かになるならテレクラに国家助成すべきだが、 実際は国を駄目にしている。       昔、電話代1.4万円、今7万円。←もしもし不況。       娘1人で3万円。竹薮のそばでも話しながらだと歩いていても安心。 お遊び:日本の方が進んでいる。 モノ作り:日本の方が遥かに進んでいる。フォードVSマツダ       進んでいるのはシリコンバレーだけ。 デトロイト周辺の中小企業。原寸大のトラックができるドラフター。 NC1台だけ、あとは習い旋盤等、これでFORDのファーストベンダー。 日本は中卒の中小企業の社長がCADCAMのマイスター    優秀そうな奴を研修に出すと1人は2ヶ月、1人は6ヶ月で引き抜かれた。 結局、自分がやることに。 ・米:情報伝達が優れていなかったので、ITで生産性向上。    同僚はライバル、情報伝達を良くすると不利益。自分がクビになることも。 ・日:丸投げの国。部下に全部やらせてその成果を横取り、そのためには情報を与える。   情報が付加価値をもって伝達される国。 ・今は過渡期で拒絶反応を起こしているだけ。 5.3.ルート株式会社 代表取締役 真野 浩 氏 ・CANとは4年前にハイパー研からの依頼でテレビミーティング。 ・エンジニア3人で創業、下請けで回路図を書いて自分のアイデアを売っていた。 下請けを脱するためにスペクトル拡散に取り組む。 シリコンバレーに行くとチップはあるが、アプリはない。 問題解決型の企業。 ・若い人をいれて何でもやらせると育つ。 くぎ抜きばかり使わせているとトンカチやノコの使い方を覚えない。 ・無線とルーティングの融合で自営網を数千箇所で構築。   大企業が恥じも外聞もなく、まね。でも2つの技術の融合という肝が抜けている。 ・電子メール+WEBがITと皆、誤解。 キーは情報の共有、フェア。テクノロジーではなく「サービスは何か」。 身の丈のもの:自分でメンテナンス、自分でいじれて身に付く。 必要なところに必要な技術を持ってくるのがエンジニア。 ・自立分散で網を構築し、インターネットという自立分散の網と接続。 ルーティング+無線の伝送路→広域の移動通信システム。 ・デジタル:蓄積ができて、伝送ができる。この特徴を生かしていない。中央制御不要。 韓国はキャリアが乗り出す。 ・最近のシンポジウムから 地域情報化における3つのストレス 行政は何もわかっていない.. 光幹線網はあるのに、アクセス網がない.. 人がいない.. ストレス解消の為のアクションプラン 地域におけるサービスメリットを示す 融合型アクセス網構築技術の導入 ネットワーク技術の教育とリテラシ向上に予算を 5.4.Y's STAFF 代表 田澤 由利 氏 ・奈良から仙台へ、出産を機にライターに ・北見に行くとかえって商品価値があがった。 ・海外にも要員、ネットでグループワーク。 ・SOHO:下請け単純労働、時給\200円程度、悪徳業者も横行。 ネット&ローカルな業務がキー 5.5.TRUNK 代表、デザインキュレーター 桐山 登士樹 氏 ・92?93年に世界のデザイナー・建築家のデータベース構築  当時は、規格、インフラが不透明でローテクで整備した。 ・現在、デザイン界では日常的にデザインのやり取りがネット上を徘徊している。  もちろん3次元デザインも飛び交っている。 ・富山県のデザインセンターのディレクターとして、産学官のあり方を模索している。  幸いにして、行政の理解のもと恵まれた環境にある。  最近の事例として、デザインの製品化の手前の作業としてモデルでの検討が欠かせない。  神奈川から来たモデル会社は、富山県内に十分な産業がなくてもネット上で仕事のコントロール  (効率化)を行っている。東京の仕事を富山に回す(CADCAMデータ)。 ・こうしたシステムさえ持てば、国内外の距離を越えてデザインワークが可能となる。  富山は、こうした側面からも積極的にトライアルして行きたい。  デザイナーはイタリア人、設計・型製作は日本、生産は中国など、すでに行われているフロー   ではあるが。 ・デザインに限った話ではないがFace to Faceのチェックはどこかで必要。工程の70%はネットで。 ・富山の問題としては、マーケットをしつかり捉えていない。また、新たなチャネルがない。E-コマース等。 ・現在、富山県総合デザインセンターは商工労働部下の組織だが、将来はソフト=知的所有権等で  自活することも視野に入れて考えている。 ・他方、大手依存型から脱却してベンチャー志向の会社も出てきた。  例えば、エレファントデザインの西山氏は、これまでの大手中心の産業システムとはまったく  違う方式によって新しい産業を興そうとしているベンチャーである。  業界活性化のためには、他分野の人材の流入が必要である。 ・コーディネーター:編集する。真ん中に誰がいるか、ますます重要になる。  そういう人をいかに増やしていくかが、今後の重要な日本の課題であり、  これらの人間は、素材、技術、施工等の知識が必要である。 5.6.Q&A 小笠原氏 関西はコンテンツの蓄積ある。デザイナーもいる。この潜在力を生かすにはどうするか。 桐山氏 大阪にある国際デザイン交流協会の委員もしている。ポテンシャルはある。 富山では総ての情報をディスクロージャーしようとしている。 メリットは相手の存在がきちんと見える。 小笠原氏 ITを用いたコミュニティー作りか? 桐山氏 それだけに拘ることはしない、デジタルアーカイブだけでは限界。 小笠原氏 デザイナーはオリジナリティに拘るので、関心はない。 桐山氏 ホームページコンテスト等での経験から、 アナログとデジタルをミックスするのはデザイナーだけでやる時代は終わった。 加藤氏 ITは生産性向上のツールだけか? 真野氏 効率化は見落としていたかもしれない。 ストラクチャーの転換:どこでも誰でもとなると、ビジネスも人もend-to-endとなる 田澤氏 仕事であり環境であり、道具である。 ネットでやるのと対面では仕事の差。放っておくと喧嘩になる。 辻教授 地域の中でベンチャーを輩出する要因 真野氏 無理にベンチャーをもってくるのは間違い。 物流はe-コマースを超えている。 地域のプロパティを用いてやるのが筋。地吹雪ツアー等。 田澤氏 関西は大都会と思うので活性化は違和感。 西澤氏 建設業等、インターネット活用、強みをフリーに活用すれば別の形を 中原氏 ITは人の脳の働きを増幅、複数の人の働きは、ネット型は更に増幅 アリアスは2のn乗 基本はそれぞれの脳に何が乗っているか。 地域:関西にある企業は常に責任追及される。本社の東京移転等。     どの地域でも国際競争力を持たなければ、そのための工夫をしなければいけない。 橋本氏 ITは道具。ただ値段が一桁二桁異なる。うまく使うこと。 実験をしないでコンピュータを使う人、向こうから情報のみが来る人ばかりになる。 知識だけをベースにした人だけでどうなるのか。 真野氏 ベンチャー企業:官側のイメージは規模が大きい企業。 育てるべきはガレージ企業。 田澤氏 関西:何か新しいことができる。技術も人もある、あとは仕組み。 桐山氏 もちは餅屋。本当に餅屋になっているか。そのためのストラテジック。 6.まとめ:日本ベンチャー学会イノベーション研究部会会長、         横浜市立大学 商学部 教授 吉川 智教 氏 ・マーシャルとポーターの論点:なぜ、特定産業が特定地域に集積するのか? 特定地域にはその産業固有の労働市場、補助産業、需要、知識、がある。 ・モノ作りではなく、製品開発で地域集積が見られる新しい現象 (マーシャルとポーターが想定していない新しい現象、) 世界最適調達(生産のグローバル化)、新製品開発の分業化現象 ・新製品開発のInteractiveなプロセスと暗黙知 vs新製品開発のlinearなプロセスと形式知 ・新製品開発プロセスの特徴: 1)新製品開発のInteractiveプロセスと2)製品開発のスピード化 この夏シリコン・バレーで考えたこと。 新製品開発拠点の特定地域への集積条件 a) 新製品開発のスピード   → 研究開発型  →   研究開発 b) 新製品開発のInteractive    企業の集積       の分業化 以上