1.研究と開発 1.1.従来の研究開発:基礎研究→応用研究→製品開発 1.2.現代の研究開発:事業戦略→新製品の探索評価・選別→研究開発 1.3.研究開発の分類 @目的基礎研究(主に理学的) A応用研究  (主に工学的) B製品開発 利潤追求を伴わない純粋基礎研究は大学等で実施 2.ビジネスにおける研究開発の位置付け 2.1.背景  R&Dをめぐるパラダイムが変化しているのでR&Dの役割も見直す必要がある。 製造業    →創造業 単一技術・製品→多角的基盤技術・システム 同業者と競争 →見えざる敵の出現 線形思考   →技術の需要表現(まず用途) 技術突破   →技術融合 技術革新   →制度革新 費用分担   →オプション分担方式 2.2.研究開発の目的 @新製品開発 A既存製品の改良 B生産プロセスの改良 C知的財産権の確保・蓄積 2.3.技術 @経済を成長させ、仕事を創造する原動力 A企業の競争と生存の重要な要素 (新製品開発、既存製品改良による延命・原低他社新製品出現に対するリスク回避等) 2.4.研究開発への投資 (1994年)日本全体で13.6兆円 (企業が9兆円、大学が2.8兆円) 分野別投資額(日本の民間企業の平均) @目的基礎研究 →  6.8( 4.2)%   A応用研究  → 22.2(20.1)%   B製品開発   → 71.1(75.7)% ( )内は電気機械工業(放送・通信を除く電気電子産業) 電気機械工業の研究開発費は売上高の5.9%(全産業の平均は2.7%) 3兆200億円(全産業の34%) 一人あたりの研究費は2113万円 でも実際に使えるのは数百万(残りは人件費や設備費) 3.企業内の研究所 3.1.組織形態 ポイント ・効率化とスピードアップ・トップが研究開発の実態を把握できるか ・経営戦略立案に技術マネジメントを反映できるか ・技術者の人事・処遇・研究所の活性化と生産性向上 ・研究を工場や他の研究所にバトンタッチするか、最後まで研究所内でやるか ・研究所の自主運営   最 近 は 社 長 ─┬─(開 発 本 部 )− 研 究 所   │ └─ 事 業 部   − 研 究 所  という組織形態が増えている他、プロジェクト制の導入が目立つ。 3.2.研究所への期待 @新製品開発 A既存製品の改良 B生産プロセスの改良 C新技術・先端技術の研究開発 D共通基盤・業際技術の研究開発 E知的財産権の確保・蓄積 F人材の育成 3.3.テーマ発掘(開発テーマの求め方) (1)WHO    @広く一般社員の提案によるもの    A営業マンの提案によるもの   B研究者・技術者の発案によるもの    Cトップマネジメントの指示によるもの    D外部のコンサルタント等によるもの    どれが良いかは一概には言えないが、本当にシ−ズを知っている者がニ−ズの   探索を行い、商品コンセプトの概念を創造することが望ましい。 (2)HOW   @技術・市場動向からの絞り込み   Aワ−キング・グル−プの編成   B研究者のシ−ズからの展開   C企画手法の活用   D自分の発想からの企画化   E創造的開発手法(NM法等)活用 ・戦略的研究開発の1つとしての、BD(ビジネス・デザイン)法  「あるべき姿を描く」→「現実の把握」→「目的・目標の設定」 →「ギャップを埋める手段の発想」→「行動」 ・環境分析  変化の先取り  外部環境の動向把握、  内部環境(自社の強みと弱み)把握  →「思い入れ」のある計画 大切なのは意欲(好き)とチャレンジ精神 +技術力、技術予測、論理思考 +IT(情報技術)の進化に対応できる +国際的視野で物事に対応できる +人望(温かさ、大胆かつ細心、バランス感覚、プラス思考「夢と感動を」) 人脈 常に向上心と謙虚さを (3)WHAT(主要企業の1997年開発テーマ) ・三菱電機 @PHS、衛星とイントラネットとの接続技術 ADRAMを内臓するマイクロコントローラの大容量化 B1GビットDRAM等、設計ルール0.15μmのLSI製造技術 Cリアルタイム性に優れた産業用コンピュータ D家庭内の情報ネットワークシステム ・日立製作所 @電子商取引関連システム技術 Aインターネット/イントラネット対応技術 BCDMA方式の無線通信システム技術 ・東芝 @マルチメディア通信技術 Aモバイルコンピューティング技術 B設計ルール0.1μmの次世代半導体基礎技術 ・NTT @情報流通プラットフォーム Aメガメディアを実現するマルチメディアネットワーク Bテラ/ペタビット級の全光ネットワーク ・NEC @広帯域の光・無線アクセス技術 A超並列コンピュータとソフトウェア Bマルチメディア情報ロジスティクス ・富士通 @光アクセスシステム Aネットワークコンピューティング B大容量光ディスク ・日本IBM @低消費電力ノートパソコン、携帯型情報端末 Aディジタル化した著作物の著作権の保護技術 BJava言語を使ったミドルウェア ・ソニー @ソフトウェア関連技術 A通信・ネットワーク技術 B信号処理・帯域圧縮技術 ・松下電器産業 @DVD用メモリ Aマルチメディア信号処理プロセッサ B400インチ以上の大型フラットパネルディスプレイ 4.激変する情報通信の世界 4.1.情報通信の世界はドッグイヤー (犬の1才が人間の7才に相当することから通常の世界の 7年分の変化が1年間で起こる事を指す) 例:マルチメディアの主役 80年代→データ通信 (電話線で音声、FAX、データが送れる) 1993→セガサターン等ゲーム機 1994→CD−ROM搭載パソコン 1995→インターネット 1996→イントラネット、DVD 1997→ ? 4.2.ネットワーク革命の10年 理論則:拡張メトカーフの法則 ・PCのパワーはチップ集積度の2乗に比例 ・ネットワークパワーはノード数の2乗に比例 経験則:拡張ムーアの法則 ・チップの集積度は18ヶ月で倍増 ・ネットワークの規模は年々倍増 結論は?(3年間で1024倍) 4.3.今は第三の波(智業化→情報革命) 第二の波 第三の波 商業化 智業化 産業革命 情報革命 テクノスペース サイバースペース 経済的エンパワメント 知的エンパワメント 5.無線通信の発展 5.1.携帯電話・PHS ┌─────────┰────────────┬────────────┐ │ ┃ │ │ │ ┃ 1 9 9 5 年 │ 1 9 9 6 年 │ ┝━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━━━┥ │ ┃ │ │ │携 帯 電 話 ┃ 9 4 9 万 台 │1 6 7 0 万 台 │ ├─────────╂────────────┼────────────┤ │ ┃ │ │ │P H S ┃ 1 9 0 万 台 │ 5 0 0 万 台 │ └─────────┸────────────┴────────────┘ PHSを用いたデータ伝送(32kbps)も開始 5.2.衛星利用の新局面 ・衛星電話サービス(携帯電話の発展型) ・防災システムとしての衛星利用 ・衛星TV(デジタル多チャンネル) ・国際衛星電話 5.3.インターネットのインフラとして ・都市部以外で光の代用 ・低軌道衛星を用いてデータ伝送 ・大容量伝送路としての衛星利用 無線は成熟技術ではない。 但し、 ・アプリケーションの提案 ・インフラや半導体等の部品・要素技術との 組み合わせ ・コンセプトの開発 等が必要となる。 参考文献  1)森 俊治:”研究開発管理論”,pp95〜101,同文社,1991.10.1  2)児玉 文雄:”ハイテク時代のパラダイム”pp13,中央公論社,1991.6月  3)L.W.Steel:”MANAGING TECHNOLOGY”,McGraw-Hill,1989  4)電子 pp36〜49,日本電子機械工業会,1996.2.1 5)日経エレクトロニクスpp81〜112,日経BP社,1997.1.6 6)公文 俊平:電子情報通信学会講演他 7)電子 pp34〜41,日本電子機械工業会,1996.2.1