2001年12月15日 中原 新太郎 パネルディスカッション「産・官・学の共同を目指して」 1.研究と開発 1) 1.1.従来の研究開発 :基礎研究→応用研究→製品開発 1) 1.2.現代の研究開発 :事業戦略→新製品の探索評価・選別→研究開発 そして企画→販売の各段階で研究開発が関与 ┌────────────────────────────────┐ │ 研 究 開 発 │ └────────────────────────────────┘ ↑ ↓↑ ↓↑ ↓↑ ↓↑ ┌────────────────────────────────┐ │市場発掘→発明・解析設計→詳細設計・試験→再設計・生産→流通販売│ │ │ │ │ │ └──────────────────────────┘ │ └────────────────────────────────┘ 1) チェーンリンクドモデル → 組織が小さいほど機能  グローバリゼーション、IT化の進展により、よりサイクルが短縮している。  自動車:フルモデルチェンジ7−10年⇔携帯電話:半年−1年未満   2.ビジネスにおける研究開発の位置付け 2.1.背景 2)  R&Dをめぐるパラダイムが変化しているのでR&Dの役割も見直す必要がある。 製造業    → 創造業 単一技術・製品 → 多角的基盤技術・システム 同業者と競争 → 見えざる敵の出現 線形思考   → 技術の需要表現(まず用途) 技術突破   → 技術融合 技術革新    → 制度革新 費用分担    → オプション分担方式 2.2.研究開発の目的 (1)新製品開発 (2)既存製品の改良 (3)生産プロセスの改良 (4)知的財産権の確保・蓄積 3) 2.3.技術 (1)経済を成長させ、仕事を創造する原動力 (2)企業の競争と生存の重要な要素 3.企業内の研究所 3.1.組織形態 ポイント ・効率化とスピードアップ ・トップが研究開発の実態を把握できるか ・経営戦略立案に技術マネジメントを反映できるか ・技術者の人事・処遇・研究所の活性化と生産性向上 ・研究を工場や他の研究所にバトンタッチするか、最後まで研究所内でやるか ・研究所の自主運営 ・サイクル短縮化に伴い、基礎研究部分を抱えきれなくなってきている。 元来、経営戦略と研究開発戦略は融合されたものであった。 それが、組織拡大と共に機能別組織に分化し乖離が目立つようになった。 原点に戻り、再融合と情報共有が必要に 3.2.テーマ発掘(開発テーマの求め方) (1)大 企 業→総合力の発揮、技術の多毛作 (2)ベンチャー→コアコンピタンス(部品、加工、設計技術等)集中 ネットワークで相互補完 但し、・アプリケーションの提案 ・インフラや半導体等の部品・要素技術との組み合わせ ・コンセプトの開発等が必要 4.スピード経営の時代 4) 4.1.情報通信の世界はドッグイヤー 例:マルチメディアの主役 80年代→データ通信(電話線で音声、FAX、データが送れる) 1993→セガサターン等ゲーム機 1994→CD?ROM搭載パソコン 1995→インターネット 1996→イントラネット、DVD 1997→ エクストラネット、電子商取引 2000→携帯電話 2001→ブロードバンド 4.2.スピードアップを迫られる商品開発 (1)開発費の増加よりも、上市が遅れる方が収益に与える影響が大きい (2)従来は「上市時に次機種の開発完了」(機能のアップだけでも顧客は満足した) 営業・製造と情報を共有するために定期的に開催していた開発テーマ設定・検討 会議だけでは対応できなくなってきた。 (3)ベンチャー型のプロジェクト会議や各部門の部長級が集合する検討会議が重要に 営業・技術双方の方言を理解するプロジェクトマネージャーの存在がサイクル回転のキー 5) 4.3.日米ベンチャー比較               米国           日本 人        高流動性         はじめは落ちこぼれ 金        ビジネスプラン      縁故(VCでも社長の個人資産担保) 世間体      アメリカンドリーム    大企業に行けなかったの? 能力       Show & Tell       集団主義 環境 高失業率が追い風     まだまだ・・・         (レイオフプランを持ってVBへ) 日本は人が集まらない。 5.産業・科学技術振興・支援策 5.1.産業・科学技術振興策 (1)ベンチャーを生むための施策、ある種の限界に。 (2)社会的には定着。法整備も欧米を参考に進展。 (3)されど、このままでは進めない。第二フェーズに→日本型。 6) 5.2.政策モデルの進化 (1)シーケンシャルからコンカレントモデルへ (2)大学・研究機関からベンチャーへの技術移転、研究連携 ・大学:着眼→研究活動知的所有権の創出→権利化→研究の深化 ・ベンチャー:企業化調査→実用化研究活動→市場開発→製造・販売 を同時並行で。 ・そのためには大学や研究機関が直接的にベンチャー活動にかかわる必要? (3)政策対象の拡大 ・アクティブなベンチャーマインドの者から一般の研究者へ ・一般研究者がベンチャーマインドを持つような環境に整備 5.3.研究者から見たベンチャー創業のバリア (1)科学コミュニティの中での評価は論文中心  ・学会誌の無償開示要求と先願主義特許制度 ・科学者仲間からの無償開示要求 ・時間的負担と精神的負担(変動の大きい外部条件) ・リスクとメリットの程度が不明 (2)複雑な支援制度体系 (3)政策アプローチへの要望事項 ・TLOの技術実用化オフィスへの質的変化 ・特許の代筆、申請代行 ・コンカレントに知的所有権、潜在的事業化可能性を発掘してくれるシステム ・研究機関のベンチャーへの出資 ・先発明主義 ・研究所マネージメントサイドの熱意 ・ベンチャー支援システムの単純化   (4)国からの評価    ・技術とマネジメントを別々に評価。これは間違い。    ・ソフトは1億円の枠で出す。それは無駄なお金を与えるようなもの。  国は懸命に研究開発費を増やしている。 これは投資だが、そう受け止めている研究者がどれだけいるか。 基礎研究:好き勝手やっても良いと思い込む。パトロン論になってしまう。 マネージする側はイノベーションストラテジィが必要 参考文献  1)浦川 卓也:"市場創造の研究開発マネジメント",pp11,ダイヤモンド社,1996.9.12  2)児玉 文雄:"ハイテク時代のパラダイム"pp13,中央公論社,1991.6月  3)L.W.Steel:"MANAGING TECHNOLOGY",McGraw-Hill,1989 4)公文 俊平:電子情報通信学会講演他  5)渡辺 邦昭:日本ベンチャー学会イノベーション研究部会シンポジウム講演他 6)宮林 正恭:日本ベンチャー学会イノベーション研究部会シンポジウム講演他