平成13年5月26日 神奈川県経営管理センター公開実践経営研究会 MCAセミナー 「ITベンチャーの育成と支援」 神奈川県経営管理センター公認登録経営コンサルタントNo.521 中原 新太郎 日本ベンチャー学会イノベーション研究部会 幹事 関西ベンチャー学会 理事 等 1.IT業界の現状 1.1.IT革命  ・第三次産業革命と第一次情報革命が同時進行。   インターネットもハードの革新により別の形に変わっていく。   知的パワーの増進する、第一次情報革命が始まっている。    どちらの革命も、出現から突破の過程で混乱しているのが現状。 ・産業構造:ニューエコノミーへの牽引役。 ・これからは過渡期、従ってスピードは従来のドッグイヤーから、さらに加速する。 ・市場経済:徹底的な資本主義経済 ・市場の変化=ビジネス・チャンス ・チャンスとピンチの同居:異業種参入、提携、ベンチャー企業の勃興。 ・ナンバーワンよりオンリーワン ・長期的にみれば日常生活の隅々まで 1.2.インターネットの持つ意味 ・生産性向上の道具ではなく、生き残りのための戦略的ツール。  ・巨大な仮想市場が誕生→マーケットの圧倒的な、徹底的なグローバル化 →いかにして生き残るか。   ・差別化による競争力、生産性の向上を如何にして実現するか。  ・電子商取引市場:3-4年前の予想を遥かに上回る。 ・インターネットエコノミーのインパクト(1995-1998)   日本:0.9%,豪州:8.4%,韓国:3.8% インターネットエコノミーの市場特性:地球規模の巨大な高速な仮想市場が出現。  ビジネススピードの高速化 顧客ニーズの多様化と早い変化 グローバル化 地球レベルでの熾烈な企業間競争 ディジタル・デバイド? ビジネス形態の変化 価値観の変化 ・インターネットが及ぼす産業へのインパクト   ビジネススピードの高速化:ドッグイヤー+α   ビジネスの圧倒的なグローバル化   市場・産業構造の変化   地球規模での企業間競争の激化:企業の生き残り競争:ここ10年が勝負   地球レベルでの企業の統廃合:全産業に蒙る影響。    マンパワーを貸すだけのアウトソーシングではすまない。   起業の人口比:ブラジルがトップで16%不況で食えないため、2位:韓国 ・インターネット・ビジネス・ソリューションの戦略的な価値。 E-Commerceはその一つでしかない。   顧客満足度の飛躍的向上。 受注システム:サーバーに直接入力し、その場で納期を顧客自身が知る。    トラブル:全世界で稼動しているポイントに自動接続。日本は夜でも欧州稼動。 利益とマーケットシェアの継続的増大。 教育の効率化、遠隔教育の普及による新製品の市場への投入期間の短縮と経費節減。 2.ITベンチャーーの現状 2.1.概要 ・日本における40社、物づくりではなく新製品開発に特化。 ・ベンチャー:連続的に新製品開発する必要。 ・固有技術を越えて、研究開発の方法論がはっきりしてきた。 ・産業革命:最初の出発点は技術。 ・第三次産業革命−IT・バイオ ・今はトリプルメジャー(3つ以上の専門)の人材 ・物つくり中心から新製品中心のイノベーションへ ・経済発展の理論:既存の物の新結合 2.2.何故今、ベンチャーか? ・日本は米国と12−3年遅れでサービス産業化 ・製造業からサービス経済への過渡期   ・SOFTな社会の実現Speak,Open,Flexible,Tansportation 2.3.日米ベンチャー比較               米国           日本 人        高流動性         はじめは落ちこぼれ 金        ビジネスプラン      縁故(VCでも社長の個人資産担保) 世間体      アメリカンドリーム    大企業に行けなかったの? 能力       Show & Tell       集団主義 環境 高失業率が追い風     まだまだ・・・         (レイオフプランを持ってVBへ) 日本は人が集まらない。 2.4.期待したいベンチャー像   ・テクノロジーをベースにした企業(大企業が対抗した場合、勝てるのか?)    明確な差別化、新しいイノベーション   ・グローバル・マーケットで通用する、この様なベンチャーが少なすぎる。   ・大学の研究者や学生による起業が必要。日本にシリコンバレーを、環境整備が必要。 3.ベンチャー企業の実例 3.1.金融:ジャパンネット銀行 ・ジャパンネット銀行:戦後初の普通銀行免許取得。 資本金:200億円、異業種の結集は世界でも初。 現在の口座申込数約17万件。米では4年で10万口座。 飲み代の決済等に使用できる10円振込のサービス開始。 ビジネスには楽しみが必要。 クリック&モルタル ショップとの連携が必要との説があるが、銀行業はネットに最も適する業種。 土曜でも日曜でも365日、24時間。実際に資金が動くのが大きな特徴。 旧エコノミーの新ブランド、平均年齢33歳、社長49歳。ソニー銀行47歳。 3.2.オンラインショップ:Win-and-Win.net ・中小・零細企業対象。 ・以前はSOHO、ホームページ制作 ・オンラインショップで成功した、てるくに電気にセミナーで会って 彼の「ホームページは自分で作るように」との言に疑問。 ・成功報酬で開始、プレスリリースすると多方面から反響。 ・「早く始めて市場を取ったものが勝ち」という状態からビジネスになってきた。 ・コンサルしている人間はベンチャーという意識はない。 ・成功条件:買う人の気持ちを今まで見ていなかった。  見られるサイト見られないサイト 体験でサポート、コンサルタントしてきたが、それでは数的限界。   ナレッジとしての落とし込み。 ・事業計画:変化が激しすぎて書けない。 3.3.ホスティング:クララオンライン社長 ・顧客の意識の変化 創業当時:一日の内、30分くらいは停止しても構わない。   現在:ノンストップでなければ困る。→H/W,S/Wお膳立て ・データセンター事業:クローズドなシステム  7割国内、3割国外、主に欧州 ・セキュリティの問題等が、これから深刻に ・米と日本、若い経営者の数4桁違う、10代、日本は片手+アルファ、米は7000人   若い世代にチャレンジする人が少ないか?これから先の日本にとって。   リスクを計算しながら。 4.ベンチャーの成功条件 4.1.必要条件:ビジネスモデル ・経済:サービス経済化、デフレ化 ・顧客価値:誰が何の為にいくら払ってくれるのか。何故我が社に?      ここがつまっていない。 4.2.十分条件:リーダーシップ:大企業とベンチャーでは異なる。 ・理念の元に総てが集約される。 ・実行力:理念を行き渡らせる。Shape up or Ship out Strategy,Hypothetical,Alignment,Process and Execution ・個性:前向きで明るく勉強熱心 ・ベンチャーとはリスクの高いゲーム   自分の弱点を知る:弱点をカバーする仲間を見つける。 自分と違うタイプの仲間:Heterogeneous   アイデアはディスカッションから生まれる。   今の常識を疑う:今日の常識は明日の非常識。   リスクを知り、ヘッジ。 4.3.ITベンチャーの経営者的特性   ・夢を志に変える強い達成意欲   情熱的、積極的であるが、冷静さも併せ持つ   繊細であるが、時に大胆   好奇心が強く、新しい物が好き。   行動が早く、型に囚われない。   最後の一瞬まであきらめない。 ・21世紀型起業文化とは:起業文化は成功するか否かの最も重要な鍵。   スピード、スピード、スピード   将来ビジョン   経営者のリーダーシップ   高い生産性と高効率経営→ITの活用  顧客ニーズへの速やかな対応→市場経済 5.支援策 5.1.産業・科学技術振興策  ・マイクロビジネス協議会。   BtoBのアウトソーシング、これで大企業もかなり変わる。 ・ベンチャーを生むための施策、ある種の限界に。 ・社会的には定着。法整備も欧米を参考に進展。 ・されど、このままでは進めない。第二フェーズに→日本型。 ・政策モデルの進化   シーケンシャルからコンカレントモデルへ  大学・研究機関からベンチャーへの技術移転、研究連携 大学:着眼→研究活動知的所有権の創出→権利化→研究の深化 ベンチャー:企業化調査→実用化研究活動→市場開発→製造・販売 を同時並行で。 ・政策対象の拡大   アクティブなベンチャーマインドの者から一般の研究者へ   一般研究者がベンチャーマインドを持つような環境に整備  ・国からの評価    技術とマネジメントを別々に評価。これは間違い。   ソフトは1億円の枠で出す。それは無駄なお金を与えるようなもの。 ・ベンチャー創業のバリア   科学コミュニティの中での評価は論文中心   学会誌の無償開示要求と先願主義特許制度   科学者仲間からの無償開示要求   時間的負担と精神的負担(変動の大きい外部条件)   リスクとメリットの程度が不明 ・複雑な支援制度体系 ・政策アプローチへの要望事項   TLOの技術実用化オフィスへの質的変化   特許の代筆、申請代行   コンカレントに知的所有権、潜在的事業化可能性を発掘してくれるシステム 研究機関のベンチャーへの出資 先発明主義 研究所マネージメントサイドの熱意 ベンチャー支援システムの単純化   ・国からの評価    技術とマネジメントを別々に評価。これは間違い。    ソフトは1億円の枠で出す。それは無駄なお金を与えるようなもの。 5.2.投融資・ベンチャーキャピタル  ・エンジェル 日本では育ちにくい。:会社に最後までいる。年金は自分のもの。 社会的な役割:ビジネス上の敗者を社会的な敗者にしないためのエンジェル。 米でも同じ失敗を繰り返す人にはペナルティー。 ・米ではVCがリスク負担。   ステージ毎に異なる経営陣を送り込む。 ・良いベンチャーを育てる唯一の方法は個を育てること。 投資の際は人に着目。きちんと議論ができ、チームで仕事ができること。 5.3.その他グランドデザイン ・地球レベルの視野の国際人不足の解消:世界の常識に沿った理知的で合理的な行動要 21世紀は教育の重要性が更に高まる:IT教育、社会人教育 産業構造の変革:市場経済への対応 人材流動性の促進:ベンチャー育成 外圧ではなく自ら変革する先見性/主体性←スピード 以上